医療は、それぞれの観点から分けることができ、患者の状態別で「急性期」「回復期」「慢性期」と分けることが可能です。これにより施設もそれぞれも存在しており、各施設で看護師の仕事内容も異なってきます。慢性期とは、生活疾患病に伴い高血圧や糖尿病となり、脳卒中などによって寝たきりになった状態の患者のことを言います。これらの患者は、疾患を抱えながら、ゆっくりとターミナルへと進んでいくものであり、それに適した看護が必要です。慢性期の看護とは、患者が残りの人生を快適に過ごすことができるように、医療面や生活面で補助していくことを指します。
具体的に言えば、疾患が悪化していないかどうかを確認するとともに、合併症などの併発を防ぐこと、口腔ケアやポジショニング、栄養管理などをあげることが可能です。一見、何気ない仕事のように感じられますが、そのようなことはありません。慢性期の患者の中には、言葉として自分の状態を示すことができない人も大勢います。それらの人々の状態を、普段から注意深く観察し、いつもとどのように違うのかを気づくことができるように注意を払うことも看護師の仕事となっています。小さな変化にいち早く気づくことが、慢性期の医療には重要です。そして、慢性期の病棟では、緊急の医療が行われることはないと考える人がいますが、そのようなことはありません。急な症状の変化というものはいつでも起こりうることで、それに対応する看護技術も求められます。